院長挨拶

令和4年度にあたり病院長からご挨拶申し上げます。
病院にとって令和2年1月から始まった新型コロナ感染がこれほどまでに健康、生活だけでなく社会活動への影響を及ぼすとは想像できなかったことです。とはいえこの2年間でマスク、消毒液、防護着は十分にいきわたり、ワクチン接種3回目も必要な人の半数以上は受けることができました。点滴、内服薬による治療もウイルスの変異に応じた適切な治療が可能となりました。
水島中央病院は地域医療の最前線で発熱外来、発熱者の救急搬送、新型コロナ感染入院患者さんの受け入れをしています。本年度も引き続き発熱患者を断らない、外来・入院患者さんに感染をさせない、職員から感染者を出さないという3つの基本姿勢で取り組んでいきます。入院時のコロナ検査、面会禁止等で患者さん、ご家族の皆さんには不自由・制限のある診療となりますが、コロナ感染症以外の疾患に対する診療をコロナ前と同様に維持するためにもご理解、ご協力をお願いします。
本年度も4月には例年通り新入職者を迎え医局、看護部、診療技術部ともに安全で患者満足度の高い診療を充実させることができるようになりました。医師の増員では救急医療にいつでも対応できる体制が拡充され、地域の急性期病院としての使命を果たすことにもつながります。新型コロナ感染症に対してこの地域の医療がひっ迫といわれることが無いように病院間や診療所との連携だけで無く、高齢者施設等とも十分に連携をとること。すなわち救急搬送の受け入れ、入院対応と早期からリハビリ、栄養・摂食嚥下チーム等の介入によりできるだけ早く自宅や施設へ復帰することで、地域の皆様に健康と安心を届ける使命を果たすことができます。近いうちには来るであろう、いや来ることを期待して、コロナ後の医療、生活、社会に向けて水島中央病院の機能を十分に生かすための令和4年度にしていきます。
水島中央病院の特徴として、関節鏡・スポーツ医学センターにおける肩関節、膝関節治療および上肢(手・肘)外科治療に低侵襲で専門的な質の高い診療を行っています。消化器内視鏡センターでは最新の内視鏡機器に更新し、楽にできる健診内視鏡検査から早期がんに対する低侵襲内視鏡治療、吐下血の救急患者に対する緊急内視鏡検査に威力を発揮できるようになりました。
今年度は新型コロナウイルス感染後を見通して安心、安全で質の高い医療実現のための医療従事者の働き改革、10月の電子カルテ更新を控えたデジタル化への対応も充実させていきます。地域の皆様の健康だけでなく、医療施設と十分な連携を取ることで水島中央病院の役割を果たすために「誠実、やさしさ、安全をもって信頼される病院」を職員一人一人が目指していきます。
令和4年 5月
病院長 松尾 龍一