院長挨拶

顔写真:病院長

 令和7年度にあたり病院長からご挨拶申しあげます。

 昨年度(令和6年度)はコロナ感染症の脅威もひと段落ついてきたところで、以前から指摘されていた2025年問題はいつの間にか迎えてしまった感があります。病院を取り巻く環境、高齢者の注意が必要な疾患への対応は何年も前から日常診療の中で病院職員が肌身に感じて日々対応してきたところであります。これからは2040年問題に向けて入院医療に対応するだけでなく、在宅・訪問診療や介護との連携を行うことで医療・介護、すなわち治し・支えることをシームレスに実現していく必要があります。そのために高齢者がいかに日常生活動作(ADL)を低下させないように入院治療を行い、安心して自宅へ退院できるようにするかが重要になってきます。水島中央病院は2024年診療報酬改定の勧めるリハビリ、栄養管理及び口腔管理の取組を入院後早期に開始するチーム医療で行うようにして早期の自宅退院に繋げてきました。

 病院北側に建設中の新棟2階には52床の回復期リハビリ病棟が本館6階病棟から移動することになります。その他には多目的ホール、リハビリセンター、訪問診療部、退院支援部門、院内保育園が入ります。4月1日時点で外観はほぼ出来上がり内装工事、本館内部の移動(検査室、リハビリ)、本館の改装、新たに整形外科外来拡張工事も併せて行い順次稼働の予定です。最終的な新棟の病棟稼働は2026年年明けになる予定です。本館6階にある回復期リハビリ病棟が新棟に移動することで6階病棟には新たに地域包括ケア病棟46床ができることになります。新病棟増床(もとは水和会法人内の倉敷リハビリテーション病院からの病床移転)により2040年問題に向けた入院医療、外来・在宅療養、介護との連携を拡充して水島~倉敷の地域医療、高齢者医療への貢献ができるようになります。

 新年度を迎え内科(脳神経内科専門医)、外科(消化器外科専門医)、整形外科(関節鏡・スポーツ医学(下肢))、麻酔科で医師の増員が叶いました。新任の各医師の専門性を生かしながら、引き続き水島中央病院の特徴として整形外科においては関節鏡・スポーツ医学センターにおける肩関節、膝関節治療および上肢(手・肘)・足の外科治療に専門医による低侵襲で質の高い診療を行っていきます。消化器内視鏡センターでは最新の内視鏡機器で苦しくない内視鏡検査、早期がんに対する低侵襲内視鏡治療、吐下血や総胆管結石等の救急患者に対する緊急内視鏡検査に対応していきます。同時に発熱患者等の一般診療、総合的な診療、多数の疾患を有する高齢者の集学的治療、救急患者受け入れにも力をいれていきます。病棟の増床に合わせて今年度中には今まで以上の患者さんの受け入れ、診療が可能になります。

 今年度は地域包括ケア病棟増床に向けて医師の増員が叶い、訪問診療、医療・介護との連携も充実させていく準備が整いました。新病棟稼働に向けて地域の病院、診療所、介護施設等としっかりと連携をとっていくことで新しい水島中央病院の地域医療への貢献が始まります。

令和7年 4月

病院長 松尾 龍一