院長挨拶

顔写真:病院長

 令和5年度にあたり病院長からご挨拶申し上げます。

 昨年度(令和4年度)は日本中がコロナウイルス感染の大きな波を2回も受けました。すべての医療施設が外来、入院フル稼働で対応せざるを得ない状況の中、院内で発生するクラスター対策に翻弄されました。水島中央病院も例外ではなく発熱外来、コロナ入院患者の受け入れをしながらも病棟での感染対応を余儀なくされました。病棟への入院が制限される中、救急搬送の受け入れが困難となる、まさに医療ひっ迫を経験したことで今後の感染症パンデミック対策として学ぶことは多々ありました。無症状保菌者からの感染可能性を考えると感染源対策は機能できませんでした。感染経路対策のマスク、手指衛生、換気の重要性を改めて確認し、次に生かすことが必要です。

 3月には新規陽性患者数も下げ止まり、まさにくすぶっている状態で新年度を迎えました。有識者会議では再び大きな流行の波が来ることを警戒しています。そのような中で5月8日から始まるコロナ感染症の2類から5類への位置づけ変更は、確実に社会・経済活動の活性化を進め、感染増加が危惧されます。水島中央病院は新たな感染経路対策をとりながらウィズコロナやコロナ前に戻るではなく、コロナを乗り越えて対応する新しい医療体制でさらなる発熱外来、救急患者を受け入れていきます。

 働き方改革は医師にも適応され2024年4月から医師の時間外労働の上限規制と健康確保措置の適用が始まります。目的は良質で安全な医療を提供し地域医療を守るための働き方改革です。十分な休息が無い疲労状態での勤務で、手術・検査・外来に支障を出してはいけません。水島中央病院は適切な労務管理と多職種のタスクシフト、タスクシェアによるチーム医療で患者さんへの利益を最優先にした労働環境の改善を実践していきます。

 水島中央病院の特徴として、関節鏡・スポーツ医学センターにおける肩関節、膝関節治療および上肢(手・肘)・足の外科治療に、専門医による低侵襲で質の高い診療を行っています。消化器内視鏡センターでは最新の内視鏡機器で一人一人の患者さんに合わせた楽にできる内視鏡検査や、早期がんに対する低侵襲内視鏡治療、吐下血の救急患者に対する緊急内視鏡検査に対応しています。

 今年度は地域包括ケア病棟増床のための新病棟建設工事が始まります。地域密着型病院としてより一層地域の皆様の健康と安心に貢献できるようになります。地域の病院、診療所、施設等と十分な連携を取ることで皆様の住みなれた地域の医療をさらに充実させていきます。

令和5年 5月

病院長 松尾 龍一