令和6年度病院指標

令和6年度 水島中央病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

病院指標

    1. 年齢階級別退院患者数
    2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
    3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
    4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
    5. 脳梗塞の患者数等
    6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
    7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

    医療の質指標

    1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
    2. 血液培養2セット実施率
    3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
    4. 転倒・転落発生率
    5. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
    6. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
    7. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
    8. 身体的拘束の実施率
    9. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
※患者数が10未満の場合は、「-(ハイフン)」と記載しております。

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 129 60 57 56 118 228 296 621 622 238
画像:年齢階級別退院患者数グラフ
年齢階級別退院患者数はピークを見ると令和4年度から引き続き80歳代がピークとなっていました。令和6年度は70歳代と80歳代の人数はほぼ同じでした。過去3年間の比較では70歳代80歳代は年ごとに増加しています。高齢化社会を反映して退院患者のピークも高齢化したと考えられます。90歳代の退院患者数も過去3年間では最も多い患者数でした。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工関節置換術等 120 54.29 25.29 25.83% 83.67
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 62 37.47 21.38 0.00% 72.45
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 (肩腱板断裂、アキレス腱断裂) 関節鏡下肩腱板断裂手術等 49 31.41 16.15 0.00% 66.84
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 37 30.03 19.16 48.65% 79.49
160760xx97xx0x 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 31 8.23 5.95 0.00% 69.71
変形性股関節症に対しては人工股関節置換術を、大腿骨近位端骨折に対しては骨接合術もしくは人工骨頭置換術手術を行っています。早期から積極的なリハビリ治療にも力を入れ、術後状態が落ち着いたら回復期リハビリ病棟へ転棟し日曜日・祝日を問わずリハビリを行っております。急性期から回復期まで水島中央病院内で完結する入院治療を行っているため、当院の平均在院日数は急性期のみの全国平均より長くなっております。2番目に患者数が多いのは人工膝関節置換術です。年々手術症例数が増加傾向にあります。術後早期より自立歩行が可能ですが、可動域訓練を中心としたリハビリを回復期リハビリ病棟へ転棟し行うため平均在院日数は37日と長くはなっております。次に多いのは肩腱板断裂です。2012年より、スポーツ医学関節鏡センターを開設し、肩の腱板断裂や膝の靱帯損傷・半月板損傷などの手術治療に力を入れています。特に肩関節疾患の患者さんのご紹介は年々増えており、各種鏡視下手術のみならず、リバース型人工関節置換術も安定して良好な成績を収めており、患者さんにも大変喜んでいただいています。胸腰椎の圧迫骨折患者さんに対しても、早期からリハビリが介入しております。骨癒合が遷延したり、骨癒合せず偽関節となった場合には、手術で骨折した椎体内にセメントを注入する椎体形成術(BKP)も行っております。転院症例を含めますと、胸腰椎圧迫骨折では約30日の入院期間となっております。上肢・手の骨折手術も多く行っており、極めて高い技術で、難易度の高い関節内粉砕骨折を含めた症例にも対応しています。スポーツ医学関節鏡センターと並んで当院が誇る領域であります。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 178 2.02 2.57 0.00% 67.46
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 57 13.70 16.40 17.54% 85.05
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィー(1及び2以外) 44 2.00 2.02 0.00% 54.68
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 38 15.84 13.66 13.16% 76.08
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 26 16.31 20.78 19.23% 83.42
当院内科は消化器領域が得意分野であり、内視鏡センターにて内視鏡診断、治療を積極的に行っています。下部内視鏡検査も多く、基本的に1泊入院でポリープ切除行っています。熟練の施行医により、鎮静剤は使わずに施行します。患者さんは疼痛なくモニターで自分の大腸の中を見ることもできます。ご希望に応じて鎮痛剤 睡眠導入剤も使用できます。大腸癌の患者数は増加傾向にあります。厚生労働省発表の2023年の統計では女性ではがん死亡の1位、男性では2位となっています。早期であれば内視鏡による治癒切除も可能であり、40才過ぎれば検査を受けることをお勧めします。次に多いのは高齢者の肺炎です。摂食嚥下に障害のある人は肺炎とは別に誤嚥性肺炎として入院しています。誤嚥性肺炎の患者さんは脳梗塞等、複数の合併症を持つ高齢者が多く、在院日数が伸びる傾向となっています。入院早期から摂食嚥下リハビリ、口腔ケアチームが介入しています。抗生剤治療と同時に早期より積極的に回復期リハビリに取り組み、長期となる場合は療養型病院等へスムーズに転院できる連携をとっています。今年度は睡眠時無呼吸症候群疑いに対する精査(終夜睡眠ポリグラフィー)目的での入院が増えました。睡眠時無呼吸症候群は口や鼻から肺へと続く空気の通り道が狭くなることで、眠っている間に呼吸が止まる状態が繰り返される病気のことです。そのために十分な睡眠がとれず昼間も眠くなります。夜間にいびきが激しく、呼吸が一時的に止まる人、日中の眠気が激しい人はこの病気の可能性があります。病気に対する認知度があがるにつれ受診される人が増えています。また診療所の先生からの紹介も増えています。発熱患者の受け入れにも積極的に対応しているため腎盂腎炎含め、尿路感染症の患者が多くなっています。尿管結石合併例などは泌尿器科へ紹介しています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術等 28 6.32 4.54 0.00% 73.25
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 21 3.19 4.42 0.00% 75.95
160400xx99x0xx 胸郭・横隔膜損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 14 17.21 9.39 0.00% 86.21
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 12 12.42 7.05 0.00% 63.58
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 10.18 9.28 9.09% 46.36
成人の鼠径ヘルニア手術が最も多く、メッシュプラグ法、クーゲル法および腹腔鏡下修復術(TAPP法)を行っています。結腸、直腸癌の転移、再発症例に対しては、静脈ポート留置後、ガイドラインに沿って、短期入院または外来化学療法室にて抗癌剤治療を行っています。交通事故や、高齢者の転倒転落事故による肋骨、胸骨骨折例も多く、血気胸を伴う症例には胸腔ドレナージを行うこともあります。胆石胆嚢炎に対しては、腹腔鏡下手術を基本的に行っておりますが、高度な炎症を伴う症例は開腹手術に移行するなど、安全な手術を心がけています。自然気胸および外傷性気胸に対応しており、高度の場合には持続的胸腔ドレナージによる保存的治療を行い、改善のない場合には胸腔鏡下手術を行うことがあります。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 32 4.75 5.61 3.13% 6.81
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 23 3.57 6.22 4.35% 1.52
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 14 4.21 5.55 0.00% 5.21
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 11 3.27 6.98 0.00% 1.64
100250xx99x10x 下垂体機能低下症 内分泌負荷試験 下垂体前葉負荷試験を1種類 10 2.00 3.03 0.00% 8.00
当院の入院患児の多くは、感染症による気管支炎~肺炎、腸炎等です。近隣の先生方からの紹介もお受けしております。平均在院日数も短く、治療終了後は紹介元のかかりつけの先生に診て頂くようにしています。検査目的入院が少しづつ増えてきています。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 34 15.59 16.89 17.65% 72.47
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 19.08 7.99 15.38% 78.38
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 10 32.10 16.94 10.00% 82.70
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 16.60 9.83 10.00% 80.70
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11.90
脳梗塞の急性期の患者さんが最も多いです。条件次第で血栓溶解剤(t-PA)療法も行っています。点滴、内服薬、リハビリテーションで加療し、在宅復帰を目指しています。当院は回復期リハビリテーション病棟があり、専従のセラピストによりリハビリテーションを効果的に実施しています。若い患者の方が軽症であり、入院期間も短い傾向にあります。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 30 5.00 6.81 3.33% 73.70
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 前立腺針生検法 24 2.00 2.45 0.00% 73.13
11013xxx02xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術、経尿道的手術等 20 7.60 5.49 5.00 72.30
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術 ホルミウムレーザー又は倍周派数レーザーを用いるもの等 15 17.00 7.77 0.00 79.40
11022xxx99xxxx 男性生殖器疾患 手術なし 9.45
泌尿器科で最も多い診断群分類は膀胱癌に対する経尿道的手術です。次に多い診断群分類は前立腺生検法です。その次に多いのは、膀胱や尿道などの結石や異物摘出術です。できるだけ経尿道的内視鏡を使って摘出し、開腹手術による摘出手術にならないようにしています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均 在院日数 (自院) 平均 在院日数 (全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 2.74
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 3.77
080010xxxx0xxx 膿皮症 12.98
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 9.33
100100xx99x0xx 糖尿病足病変 21.46
局所麻酔で切除可能な良性腫瘍、悪性腫瘍の摘出を行っており、日帰りから希望に沿って術後の経過観察を行っています。また、当院の形成外科(非常勤)とも協力して形成外科での手術後の入院管理、経過観察をしております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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DPCコード 初発 再発 病期分類 基準(※) 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 8,7
大腸癌 27 13 1 8,7
乳癌 1 8
肺癌 1 8
肝癌 1 8,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
  当院での癌症例を病期分類で見ると、胃癌、大腸癌では進行癌や再発症例が多いのが特徴です。手術は標準的な手術方法を基本としておりますが、他臓器合併切除等複雑な手術になる症例もあります。また術後補助化学療法や再発による抗癌剤治療を行う症例が多く、ガイドラインに従い、薬剤師、看護師と連携し、短期入院または外来化学療法室にて行っています。乳癌に対しては、乳房温存手術を基本に行いますが、高齢者の進行癌症例にが多く、乳房切除に至ることもあります。肺癌では手術療法を基本に行いますが、進行癌症例に対しては、抗癌剤治療、他院にて放射線治療を行っています。また癌症例全体を通して、高齢者が多いのが特徴です。また癌末期の症例に対しては、入院で緩和ケア、看取りを行なう症例が多いですが、訪問診療等で在宅ケアを行なう症例も増加しています。肝癌は年々減少傾向です。Stage1,3,4で症例がありました。B型、C型肝炎に対するウイルスコントロールができるようになりウイルス性肝炎、肝硬変からの癌は減少。脂肪肝患者の増加に伴い脂肪肝を原因とする肝癌が増加傾向です。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均 在院日数 平均年齢
軽症 13 5.46 42.62
中等症 54 13.72 79.26
重症 13 14.46 85.31
超重症
不明
  軽症の患者さんでは若年者が多く、マイコプラズマ肺炎などの非定型肺炎の頻度が高い傾向にあります。症状が強くて食事がとれない、外来で内服加療しても改善しないなどの理由で入院となっています。中等症の患者さんが最も多く、時には酸素療法を要することもありますが、抗生剤の点滴加療などで治療し早期の退院を目指しています。重症、超重症の患者さんは喫煙が原因の慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった呼吸器疾患や脳血管障害等の他臓器合併症が多く認められます。呼吸不全に対してネーザルハイフロー、非侵襲的陽圧換気や人工呼吸器を使用しています。重症、超重症の患者さんは高齢者が多く、自宅退院に向けたリハビリを要することが多く在院日数も長くなっています。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 60 33.35 75.43 13.43%
その他
脳梗塞の急性期、3日間の患者さんが最も多いです。閉塞及び狭窄する血管の支配領域の程度により、1週間で退院できる軽度の人から、寝たきりになる人まで様々です。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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整形外科

Kコード 名称 患者数 平均 術前日数 平均 術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 113 3.42 33.13 2.65% 71.97
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 106 3.35 46.67 15.09% 79.54
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 58 5.52 45.34 27.59% 83.93
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの) 45 0.38 28.96 0.00% 66.33
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 43 1.93 15.21 4.65% 68.23
一番多かったのは人工関節置換術の手術です。人工関節手術は変形した膝、股関節、肩関節に対して行っております。今後も高齢者人口は増えるので、高齢者の健康寿命の延伸に向けて手術件数はますます増加していく見込みです。次に多かったのは高齢者による大腿骨近位端骨折に対する手術です。術式としては、安定型の大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部・転子下骨折に対しては骨接合術を行い、転位を伴った大腿骨頚部骨折に対しては人工骨頭置換術を行なっています。近年、転子部骨折での粉砕例が増えてきており、粉砕の程度によっては骨接合ではなく人工骨頭置換術を選択するケースがあります。人工骨頭置換術は昨年度58件あり、3番目に多かったです。高齢者では合併症を持つ患者さんが多く、内科と連携しながら周術期管理を行いつつ、受傷前の状態に応じた目標を定めて早期よりリハビリを行なっています。入院早期からソーシャルワーカーや退院支援看護師を中心に、退院後の生活に視点をおいたカンファレンスを開くことで早期退院を目指しています。退院後はケアマネージャーや介護系職種と良好な連携をとることで安心して退院後の生活が送れるようにしています。次に多いのは、肩の腱板手術です。当院では内視鏡カメラを用いた鏡視下手術を得意としており、年々手術件数は右肩上がりに増えております。鏡視下に行うことで低侵襲なため、術後の痛みも少なく、リハビリでの回復も早く患者さんに大変喜ばれています。断裂範囲が広く縫合が困難な重症例では、大腿筋膜移植や大胸筋移行術などの高難度の手術も鏡視下に行っております。さらには上肢の骨折の手術件数も多く、手術による内固定を行うことで、術後早期から患肢を使うことができるので、患者さんからも大変喜ばれています。高齢化の進展とともに、ますます脆弱性骨折や変性疾患など整形外科の手術のニーズは増えていきます。さらなる手術技術の向上と質の高いリハビリで手術成績の向上に精進して参ります。

内科

Kコード 名称 患者数 平均 術前日数 平均 術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 (長径2センチメートル未満) 174 0.13 1.07 0.00% 66.87
K664 胃瘻造設術 (経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 14 22.00 22.43 57.14% 82.86
K6871 内視鏡的乳頭切開術 (乳頭括約筋切開のみのもの) 12 0.25 7.25 0.00% 65.33
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 11 1.00 3.55 0.00% 76.27
K688 内視鏡的胆道ステント留置術
当院では苦痛のない下部内視鏡検査に力を入れており、内視鏡的大腸ポリープ切除術が多くなっています。内視鏡検査中にポリープが観察されたときは患者さんにテレビモニターを見ていただきながら、当日ポリープ切除しています。安全のために1泊経過観察入院していただいていますが、術後出血の頻度は少なく翌朝には退院していただいています。脳疾患などにより嚥下障害のある患者さんはご本人、ご家族に十分説明した上で胃瘻を造設しています。熟練した術者により大きな合併症なく施行しています。 胆管結石に対する内視鏡的排石術(乳頭切開術等)も多く施行しています。胆管の出口(乳頭)を内視鏡下に電気メスで切開したりバルーン拡張で広げることで排石します。安全で負担の少ない治療を第一とすることで、合併症は少なく平均術在院日数も短期間となっています。近隣の病院、施設などから高齢者の患者さんの紹介も多くなっています。 胆管癌 膵頭部癌などによる閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ステント留置術も施行しています。症状は黄疸、発熱、上腹部痛などです。他院からの紹介患者も年々増えています。 血便主訴に受診される大腸憩室出血の患者さんに対してはクリッピング、結紮などにより内視鏡的止血術を行っています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均 術前日数 平均 術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 28 0.00 5.32 0.00% 73.25
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 21 2.38 7.33 0.00% 63.52
K7181 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 10 1.20 6.10 0.00% 42.80
K7182 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの)
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)
外科の手術件数は、成人の鼠径ヘルニア症例が最も多く、再発、痛みが少ないテンションフリー手術(メッシュプラグ法、クーゲル法、TAPP法)をクリニカルパスを導入し行っています。胆石胆嚢炎に対する胆嚢摘出術が次いで多く、腹腔鏡下手術を基本的に行っておりますが、高度な炎症を伴う症例は開腹手術に移行するなど、安全な手術を心がけています。虫垂炎症例に対しては、腹膜炎を伴っており緊急手術を行う症例もありますが、保存的治療後に手術を行う症例も増加しています。結腸癌手術症例も全国的に増加していますが、当院では進行癌や高齢者の症例が多いのが特徴です。手術は腹腔鏡下手術を含め標準的な手術方法を基本としておりますが、他臓器合併切除等複雑な手術になる症例もあります。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均 術前日数 平均 術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 32 1.03 3.09 3.13% 73.56
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) 17 1.82 3.82 5.88% 74.47
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 14 4.14 12.57 0.00% 80.29
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)
K8232 尿失禁手術(その他のもの)
泌尿器科で最も多い手術は、膀胱癌に対する経尿道的手術です。次に多い手術は膀胱結石に対する経尿道的手術です。その次に多い手術は前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺肥大症手術でした。積極的に手術をして尿道カテーテルのない状態で排尿ができるようにしています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均 術前日数 平均 術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 1.88 21.88 5.88% 82.59
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、 腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。)
K1742 水頭症手術(シャント手術)
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの)
慢性硬膜下血腫は、脳と頭蓋骨の隙間に液体の血液がかたまった状態であり、大多数が高齢者です。症状は半身麻痺、認知症などであり、手術は局所麻酔にて、頭蓋骨に穴を1つ開けて、内部の血腫を注射器で吸引するもので、30~60分間で終わります。症状はすぐに改善され、他の病気の合併がないかぎり、大多数の患者さんは手術後4~7日間ほど(リハビリ状況で延びる場合もあります)で自宅に退院しています。

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均 術前日数 平均 術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K0053 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4㎝以上)
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上、12㎝未満)
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
K013-21 全層植皮術(25㎠未満)
当科では局所麻酔で切除可能な皮膚腫瘍の摘出を行っております。腫瘍の大きさなどによっては入院での経過観察も可能であります。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
播種性血管内症候群、真菌感染症に関しては令和6年同様症例としての登録がありませんでした。敗血症、手術処置等の合併症の発生率は少数の登録がありました。敗血症は入院契機の疾患と異なる登録もありました。手術・処置等の合併症は感染が主なものでした。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) 分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率
410 335 81.71%
各診療科における手術時の血栓塞栓症予防対策について、分母に来る手術としては整形外科の大腿骨骨折の手術が最も多かった。人工関節術等も併せて整形外科手術後は基礎疾患、合併症等の問題がなければほぼ100%対策をとっている。対策が取れてなかったのは主に内科の内視鏡的手術、泌尿器科の膀胱鏡手術等で手術翌日からのリハビリ開始や安静解除ができる疾患でした。

血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) 血液培養2セット実施率
334 262 78.44%
発熱患者で肺炎、尿路感染の無い患者さんには原則全例血液培養2セット法を実施しています。特に高齢者の発熱を主訴とする救急搬送患者さんは全例血液培養2セット法を実施しています

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) 広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率
131 105 80.15%
高齢者の発熱患者に対しては抗生剤の種類にかかわらず細菌培養検査を実施しています。喀痰と尿の細菌培養が多く、血液培養は腹部消化器感染症疑いや、敗血症疑いに対して積極的に実施しています。

転倒・転落発生率

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退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) 退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) 転倒・転落発生率
37723 165 4.37%
本指標は、医療機関の機能特性や患者構成により大きく左右されるため、他施設との単純比較には限界があります。 当院では、すべての入院患者さんに対し、入院時および毎週転倒・転落リスクアセスメントを実施しています。さらに、状態変化時、術後、転倒・転落事例発生時には再評価を行い、個別の看護計画に基づいた予防策を講じています。今後も、リスク評価の制度向上と予防策の強化を通じて、患者安全の確保に努めてまいります。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) 分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) 手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率
410 410 100%
 当院では、手術室へ入室直後から予防的抗菌薬投与を実施しています。手術中に体内に侵入する細菌数を、宿主の免疫機構でコントロールできるレベルに減らし、手術部位感染の発生リスクの低減に努めています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) 褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率
37126 17 0.05%
当院では皮膚科を中心に多職種による褥瘡対策委員会を組織し、ハイリスクの患者さんに対しての褥瘡予防計画の立案をし定期的に褥瘡廻診をしています。褥瘡発生時には随時回診を行い早期の治癒を目指しています。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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65歳以上の退院患者数 (分母) 分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) 65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合
1559 1484 95.19%
入院時の栄養評価は入院患者さん全員を対象として行っています。個々の栄養管理についても、高齢の患者さんが多いため、早期に介入・評価することで適正な栄養摂取ができるよう検討し、最終的には早期退院につながるよう取り組んでいます。全国平均と比べても栄養アセスメント率は高くなっています。

身体的拘束の実施率

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退院患者の在院日数の総和 (分母) 分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) 身体的拘束の実施率
37723 3673 9.74%
当院では、身体拘束を最小化するために2021年4月から認知症のある方を見守っていただく専任アシスタントを採用し、話し相手・ぬり絵など興味のある事を患者さんと一緒に行うことで穏やかに過ごしていただけるような取り組みを行っています。2024年4月から身体拘束最小化チームを発足し、身体拘束の実施状況のラウンドを行いベッドサイドで安全に適正に実施されているかの確認と記録との整合性の評価を行っています。ラウンドの結果は委員会で発表し、情報共有を行い良い取り組みがあれば水平展開を行っています。身体拘束最小化に向けての看護部勉強会やユマニユード(「人間らしさを取り戻す」という意味のフランス語)についての勉強会などを行い、看護ケアの中で活用できるよう取り組みを行っています。各病棟から病状が安定している認知症のある方を午後には回復期リハビリテーション病棟のデイルームで看護師・介護士を中心としてレクリエーション(歌・座位ででき体操・風船バレーなど)を行い、身体拘束を最小限にするような取り組みを行っています。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) 退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子)) 転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率
影響度分類とは、医療機関内で発生したインシデントを、患者さんへ臨床的影響に基づき段階的に評価するものです。当院では医療安全指針に基づき、影響度をレベル0(影響なし)からレベル5(死亡)まで分類し、インシデントの分析と再発防止策の立案に活用しています。レベル3bは、骨折、手術の実施、人工呼吸器管理、入院延長など、濃厚な医療介入を要する事例を指します。 該当症例が少ないため数値が表示されておりません。 転倒・転落事例に対し、環境要因の分析、緩衝マットの設置、チームカンファレンスの実施など、多職種連携による予防的介入を継続的におこなっています。

更新履歴

2025/9/30「令和5年度 水島中央病院 病院指標」を公開しました。